怪異猟奇ミステリー全史

風間賢二著、新潮選書 図書館で借りる。著者は早川書房を退社後、幻想文学研究家・翻訳家として活躍しているらしい。ミステリーの「源流」とされる西洋のゴシック小説に始まり、エドガー・アラン・ポー、コナン・ドイルといった探偵・推理小説、日本の翻案小…

アンガーマネジメント入門

安藤俊介著、朝日文庫 Kindleにて読了。カッとなりやすい性格でいろいろ問題を起こしてきた(幸い、これまでさほど大ごとにはなっていないが)こともあり、「アンガーマネジメント」には興味を持っていたのだが、なかなか取り組みきっかけがなかった。ちょう…

indistractable

Nir Eyal著、BLOOMSBURY Kindleにて読了。だいぶ前にnprのポッドキャストか何かで紹介されていて、たまたま読もうと思っていた洋書が途切れた際に購入した。 著者はイスラエル生まれのアメリカ人で、スタンフォード大学などで教えた経験を持つ作家ということ…

生物学的に、しょうがない!

石川幹人著、サンマーク出版 図書館で借りる。おそらく新聞の書評欄で紹介されていたのだと思う。著者は進化心理学者とのことで、「生物学的な観点から心理を語る」というようなことを研究しているらしい。本書は、「人前で話すの苦手」や「不安になっちゃう…

「いただきます」を言わない人が太るワケ

浅原哲子著、三笠書房 何かのテレビ番組で紹介され、娘が「読んでみたい」と言ったので、だいぶ前に購入。娘と妻が読了後に読んでみた。 著者は京都医療センターの肥満・メタボリックシンドローム外来医師で「3000人をダイエット成功に導いた」という。副題…

「小さな大国」ニュージーランドの教えるもの

日本ニュージーランド学会、東北公益文科大学ニュージーランド研究所編、論創社 図書館で借りる。ニュージーランドに関心を持っているが、書籍はあまりなく、検索でヒットした比較的新しい(と言っても初版は2012年である)本書を読んでみることにした。 「…

太平洋戦争への道 1931-1941

半藤一利、加藤陽子、保阪正康(編著)、NHK出版新書 図書館で借りる。言わずと知れた「昭和史」の専門家3人による、2017年に放送されたラジオ番組を再構成したという。題名にある通り、日米開戦の1941年までの10年間の日本の歩みを振り返り、破滅的な戦争に…

謎ときサリンジャー

竹内康浩、朴舜起著、新潮選書 図書館で借りる。恐らく新聞の書評で読んだのだろう。著者は英米文学者とその教え子。副題に「『自殺』したのは誰なのか」とある通り、サリンジャーの短編集『ナイン・ストーリーズ』に収められている『バナナフィッシュにうっ…

THE OUTLAW OCEAN

Ian Urbina著、Vintage kindleにて読了。NewYorkTimesのbookreview podcastでホストが絶賛していて興味を持ち、読んでみた。 同紙の記者による、題名の通り海の「無法地帯ぶり」についてのルポルタージュ。かなりの分量の本で、環境保護団体「シー・シェパー…

「とりあえずビール。」で、不登校を解決する

蓑田雅之著、びーんずネット 新聞で著者の紹介を読み、「びーんずネット」から直接購入。著者は元不登校児の保護者で、保護者向けに不登校との向き合い方について講演や執筆などの活動をしている人とのことで、びーんずネットも同じく不登校の保護者向けの団…

海の歴史

ジャック・アタリ著、林昌宏訳 図書館で借りる。フランスの「知の巨人」による、題名の通り、海をめぐる歴史と、海の今後についての考察をまとめた本。WATER A BIOGRAPHY - a follower of Mammon が主に内陸の水に関する歴史の本だとすれば、本書はその海洋…

世界一しあわせなフィンランド人は、幸福を追い求めない

フランク・マルテラ著、夏目大訳、ハーパーコリンズ・ジャパン 図書館で借りる。題名からすると、フィンランドについての話かと思いきや、いわゆる哲学書である。幸福や人生の意味について、いかに考えたらいいかを説く。著者はフィンランド人だが、あまりフ…

「英語が読める」の9割は誤読

越前敏弥著、thejapantimes出版 図書館で借りる。著者は文芸翻訳家で、翻訳講座の講師もしているらしい。誤訳しやすい英語表現を分かりやすく、詳しく解説する。 Chapter1はいきなり練習問題の連続で、解説もかなり本格的な文法の解説が多く、読み進めるのに…

地球の履歴書

大河内直彦著、新潮選書 楽天ブックスで買った紙の本で読了。著者は海洋研究開発機構の生物地球化学研究分野・分野長とのことで、地球科学者である。海や地層、南極、塩などをテーマにした8編の科学エッセーが収められている。 それぞれの章が歴史上の科学…

伝わる英語表現法

長部三郎著、岩波新書 紙の本で読了。たまたま地元の書店で見つけて手に取った。苦手とする英語のライティング能力向上の足しになればと思って。 著者は外務省の通訳などを務めた大学の元先生。それだけにかなり実践的な英語学習法を説いている。特に日本語…

THE NEW LONG LIFE

Andrew J. Scott & Lynda Gratton著、BLOOMSBURY Kindleにて読了。両著者による訳書『LIFE SHIFT』が話題になっていることを知り、その続編にあたる本書(邦題は『LIFE SHIFT2』)を読んでみることした。 著者はどちらも英国の学者のようで、簡単に言うと、e…

WATER A BIOGRAPHY

Giulio Boccaletti著、Penguin Random House kindleで読了。nprのポッドキャスト「Book of the day」で紹介されていて、興味を持って購入。著者は英国の学者らしく、巻末の著者紹介によると、天然資源保障と環境持続可能性についての世界的に知られた英国の…

英語ライティングルールブック 第2版

デイヴィッド・セイン著、DHC いつどこで購入したか忘れてしまったが、文字通り、英語のライティングの参考書である。奥付を見ると2017年3月に第11刷となっており、おそらくその頃に購入したのだろう。ネットで見ると第3版が出ているようだ。 著者は米国出…

LIFE SCIENCE 長生きせざるをえない時代の生命科学講義

吉森保著、日経BP hontoにて読了。著者は、「オートファジーの仕組みの解明」で2016年のノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典氏の弟子筋にあたる大阪大学教授で生命科学者。題名からも分かるように、明らかに同じようなテーマのベストセラー、LIFE SPAN …

アメリカを作った思想

ジェニファー・ラトナー=ローゼンハーゲン著、入江哲朗訳 ちくま学芸文庫 図書館で借りる。題名の通り、アメリカへの入植から9.11同時多発テロまでの約500年にわたるアメリカの思想史をまとめた本である。著者は歴史学の教授である。 先住民との「交流」や…

その話、諸説あります。

ナショナルジオグラフィック編、日経ナショナルジオグラフィック社 図書館で借りる。世の中にある確定していない「諸説」について、「モナ・リザのモデル」や「人魂の正体」、「地球外生命体」などテーマごとに説を並べて紹介していく。たいていのことは「確…

図解SDGs入門

村上芽著、日本経済新聞出版 楽天ブックスで購入。ムズカシそうなSDGsのことがひと目でやさしくわかる本 - a follower of Mammon につづく2冊目のSDGs本。少し詳しく見ていきたくなったが、とっつきやすそうな本書を選んだ。 著者は日本総研の人らしく、同…

最少の努力でやせる食事の科学

オーガスト・ハーゲスハイマー著、講談社 hontoにて読了。安売りしていたので、購入して読んでみた。糖質制限で昨年、15キロ近くやせたものの、最近5キロ近くリバウンドしているのを何とかしたかったというのもある。 著者は栄養科学博士で健康食品を開発・…

ムズカシそうなSDGsのことがひと目でやさしくわかる本

本田亮著、小学館 楽天ブックスで購入。SDGs(持続可能な開発目標)についての書籍は読んだことがなかったので、新聞で紹介されていたのを見て購入。小3の娘も興味を持つかと思った。 著者は電通の元CMプランナーで「ピッカピカの一年生」などをつくった人…

献灯使

多和田葉子著、講談社文庫 図書館で借りる。多和田氏は芥川賞作家で、本書で全米図書賞の翻訳部門賞を受賞ししている。コンビニ人間 - a follower of Mammon と同様、文芸ピープル - a follower of Mammon で盛んに取り上げられていた。一部では「村上春樹よ…

コンビニ人間

村田沙耶香著、文春文庫 図書館で借りる。文芸ピープル - a follower of Mammon でも英訳が話題になっているとのことだったので、読んでおこうと思った。芥川賞を受賞してしばらく経っており、予約したらすぐに借りることができた。 事前にあまり詳しく知っ…

すごすぎる天気の図鑑

荒木健太郎著、KADOKAWA 楽天ブックスで購入。娘がデジカメを買ってもらい、外に出て雲の写真を撮ったりしているので、興味を持つかと思って購入。渡す前に自分で読んでみた。 著者は、気象庁気象研究所研究官で「雲研究者」。映画「天気の子」では気象監修…

文芸ピープル

辛島デイヴィッド著、講談社 図書館にて借りる。著者は日→英の文芸翻訳家で、早稲田の准教授らしい。ここ最近の欧米での日本文学の出版事情を紹介する。間に挟まれた英国での文芸フェスティバルなどの様子を収めた「ブリテン諸島出版見聞日記」とする読み物…

世界史は化学でできている

左巻健男著、ダイヤモンド社 購入して読了。来年大学受験を迎える息子が化学部志望なので、興味を持つかと思った。著者は理科教育などを専門とする東大の研究者。「火」や「食物」、「酒」、「セラミックス」など物質を軸に、その発展の歴史やそのターニング…

日本の構造

橘木俊詔著、講談社現代新書 図書館で借りる。副題に「50の統計データで読む国のかたち」とあるように、経済学者がさまざまなデータと紹介してこの国の「現在地」を探る。今年3月の発行で、データことないものの、新型コロナウイルスの影響なども論じられて…