2022-01-01から1年間の記事一覧

なぜ世界は存在しないのか

マルクス・ガブリエル著、清水一浩訳、講談社選書メチエ 図書館で借りる。わかりあえない他者と生きる - a follower of Mammon などインタビュー物を読んでみて、マルクス・ガブリエルの著作を読んでみたいと思い、「哲学書としては異例の世界的なベストセラ…

恐怖の存在 上・下

マイクル・クライトン著、酒井昭伸訳、早川書房 図書館で借りる。気候変動の真実 - a follower of Mammon で取り上げられていたのを読んで興味を持った。クライトン作品はかなり昔にいくつか読んだ記憶がある。医者で映画『ジュラシック・パーク』やドラマ『…

子どもを信じること

田中茂樹著、大隅書房 図書館で借りる。医師・臨床心理士による子育て本。仕事でのカウンセリングや4人の息子がいる自身の子育て体験を踏まえ、子どもの力を信じて見守る育児を説く。 不登校児を含め、叱らず、小言を言わずというような優しい子育て論で、そ…

気候変動の真実

スティーブン・E・クーニン著、三木俊哉訳、日経BP 図書館で借りる。オバマ政権の科学担当幹部を務めた米国の著名物理学者が、「気候危機」に疑義を呈した本としていっとき話題になったので、図書館で予約したら、借りられるまでにけっこう時間がかかった。 …

サピエンス全史 上・下

ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳、河出書房新社 イスラエルの歴史学者による言わずと知れたベストセラー。ちょうど読む物がなかった時に妻の蔵書に見つけ、読み始めた。 題名の通り、現生人類の歴史を紐解いた書だが、その分かりやすいまとめ方が多く…

国際環境法講義 第2版

西井正弘・鶴田順編、有信堂 図書館で借りる。書名から想像できる通り、国際環境法の教科書的な本。「講義」とさいれているが、話し言葉になっている訳でもなく、普通の概説書である。第一部の総論として、環境条約などの形成過程や持続可能な発展(開発)な…

わかりあえない他者と生きる

マルクス・ガブリエル、大野和基インタビュー・編、月谷真紀訳、PHP新書 図書館で借りる。ドイツの新進哲学者であるマルクス・ガブリエル氏のインタビューを起こした書籍の3冊目で、私が読むのは つながり過ぎた世界の先に - a follower of Mammon に続いて…

気候安全保障

公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所編、阪口秀監修、東海教育研究所 図書館で借りる。気候変動への対応を安全保障の問題としてとらえる「気候安全保障」についての論文集的な本。本書の編者でもある笹川平和財団がちょっと前から研究に取り組んでいるら…

ディープヨコハマをあるく

佐野亨著、辰巳出版 図書館で借りる。ネットニュースの新刊本紹介で取り上げられているのを読んで、借りてみることにした。著者はフリーの編集者・文筆家。出身ではないが、長く住んでゆかりがある横浜の、「ディープ」な部分で歩きながら紹介していく。 第…

ノヴァセン

ジェームズ・ラヴロック著、藤原朝子監訳、松島倫明訳、NHK出版 図書館で借りる。「ガイア仮説」のラヴロックの遺作となったのだろうか、地球の未来予想をする。副題に「<超知能>が地球を更新する」とあるように、人類の後はAIなどの機械(著者はそれを「…

つながり過ぎた世界の先に

マルクス・ガブリエル、大野和基インタビュー・編、高田亜樹訳、PHP新書 図書館で借りる。以前、何かのインタビューでマルクス・ガブリエル氏の理路整然とした回答を観て、一度著書を読んでみたいと思っていたことを思い出した。新書で手軽そうな2冊を図書館…

国際法 第4版

中谷和弘・植木俊哉・河野真理子・森田章夫・山本良著、有斐閣アルマ 図書館で借りる。環境法入門 第4版 - a follower of Mammon と同じ有斐閣アルマの本だが、こちらはつくりとしてはかなりオーソドックスな法律の教科書となっている。「はしがき」にも「…

クリティカル・パス

バックミンスター・フラー著、梶川泰司訳、白揚社 図書館で借りる。宇宙船地球号操縦マニュアル - a follower of Mammon のバックミュンスター・フラーの晩年の集大成的な著作で、訳書の本文だけで500ページを超す大著である。内容的にもなかなか難解で、198…

環境法入門 第4版

交告尚史・臼杵知史・前田陽一・黒川哲志著、有斐閣アルマ 図書館で借りる。題名を読んで字のごとく、環境をめぐる法律についての入門書である。この「有斐閣アルマ」というシリーズは、私の大学時代にはなかったが「新しい時代の大学テキストシリーズ」で、…

ニュージーランド エコ紀行

青柳光郎著、七つ森書館 図書館でたまたま見つけて借りる。題名の通り、ニュージーランドのエコツアーなど環境再生と観光の取り組みを紹介する2008年の本。著者は朝日新聞の元記者らしい。2001年に新聞社の企画で訪れて以来、毎年のようにニュージーランドを…

宇宙船地球号操縦マニュアル

バックミンスター・フラー著、芹沢高志訳、ちくま学芸文庫 図書館で借りる。ガイアの復讐 - a follower of Mammon (hatenadiary.org) と同様に地球に住めなくなる日 - a follower of Mammon (hatenadiary.org) で紹介されているのを読んで借りてみた。1969年…

ガイアの復讐

ジェームズ・ラブロック著、秋元勇巳監修、竹村健一訳 地球に住めなくなる日 - a follower of Mammon で「ガイア仮説」が紹介されていたのを受けて、図書館で借りる。1960年代に発表された「ガイア仮説」は「生物圏が地球気候と大気組成を、生物が生きていく…

お母さんは命がけであなたを産みました

内田美智子著、青春出版社 妻からだいぶ前に勧められて、そのままになっていたのをようやく読んだ。著者は北九州で助産師をする女性。副題「16歳のための、いのちの教科書」の通り、思春期の少年少女の向けて、出産や親の思い、恋愛、食事などについて語りか…

地球に住めなくなる日

デイビッド・ウォレス・ウェルズ著、藤井留美訳、NHK出版 図書館で借りる。副題に「『気候崩壊』の避けられない真実」とあるように、気候変動によって生じている影響や被害を紹介し、今後の見通しやすべきことを論考する。著者はニューヨーク・マガジンとい…

新版 はじめての環境学

北川秀樹、増田啓子著、法律文化社 図書館で借りる。地球環境学入門 第3版 - a follower of Mammon と同様、教科書向けに書かれた本。本書は環境問題の歴史「環境史」から入り、第2章は「環境問題発生のメカニズム」として大気汚染や廃棄物問題、地球温暖…

地球環境学入門 第3版

山﨑友紀著、講談社 図書館で借りる。基本的な環境学を学びたいと思って、題名で探したところヒットした。やや大きめのカラー版で、まえがきにも大学生の教科書向けに書かれたことが記されている。 題名に「地球」と銘打っているだけに、「宇宙のなかの地球…

他者と生きる

磯野真穂著、集英社新書 図書館で予約して借りる。今となってはなぜ予約したのか覚えていないが、おそらく新聞の書評か何かで読んだのだろう。 「人間観」の類型やその根底にある他者とのかかわりなどについて論じる本で、全体としては難解で、ついていけた…

海の教科書

柏野祐二著、講談社ブルーバックス だいぶ前に購入した。地球温暖化の影響をはじめ、海についてのさまざまな現象を科学的に学びたいと思って購入したが、けっこう専門的な部分も多く、遅々として読書が進まなかった。少し時間ができたこともあって、一気に読…

ニュージーランドを知るための63章

青柳まちこ編著、明石書店 図書館で借りる。 「小さな大国」ニュージーランドの教えるもの - a follower of Mammon に続くニュージーランド本。今回の本は、「●●を知るための●章」としてシリーズ化されている本のニュージーランド版になっている。『小さな大…

怪異猟奇ミステリー全史

風間賢二著、新潮選書 図書館で借りる。著者は早川書房を退社後、幻想文学研究家・翻訳家として活躍しているらしい。ミステリーの「源流」とされる西洋のゴシック小説に始まり、エドガー・アラン・ポー、コナン・ドイルといった探偵・推理小説、日本の翻案小…

アンガーマネジメント入門

安藤俊介著、朝日文庫 Kindleにて読了。カッとなりやすい性格でいろいろ問題を起こしてきた(幸い、これまでさほど大ごとにはなっていないが)こともあり、「アンガーマネジメント」には興味を持っていたのだが、なかなか取り組みきっかけがなかった。ちょう…

indistractable

Nir Eyal著、BLOOMSBURY Kindleにて読了。だいぶ前にnprのポッドキャストか何かで紹介されていて、たまたま読もうと思っていた洋書が途切れた際に購入した。 著者はイスラエル生まれのアメリカ人で、スタンフォード大学などで教えた経験を持つ作家ということ…

生物学的に、しょうがない!

石川幹人著、サンマーク出版 図書館で借りる。おそらく新聞の書評欄で紹介されていたのだと思う。著者は進化心理学者とのことで、「生物学的な観点から心理を語る」というようなことを研究しているらしい。本書は、「人前で話すの苦手」や「不安になっちゃう…

「いただきます」を言わない人が太るワケ

浅原哲子著、三笠書房 何かのテレビ番組で紹介され、娘が「読んでみたい」と言ったので、だいぶ前に購入。娘と妻が読了後に読んでみた。 著者は京都医療センターの肥満・メタボリックシンドローム外来医師で「3000人をダイエット成功に導いた」という。副題…

「小さな大国」ニュージーランドの教えるもの

日本ニュージーランド学会、東北公益文科大学ニュージーランド研究所編、論創社 図書館で借りる。ニュージーランドに関心を持っているが、書籍はあまりなく、検索でヒットした比較的新しい(と言っても初版は2012年である)本書を読んでみることにした。 「…