2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

DOWNTOWN My Manhattan

Pete Hamill著、Back Bay Books ピート・ハミル氏が生まれ育ったマンハッタンについてのエッセイ。日々の雑観だけでなく、マンハッタン島への入植から始まる歴史を地域ごとに紹介している。ジャーナリストらしく、批判的な精神も示されているが、全編を通じ…

作家的時評集 2000−2007

高村薫著、朝日文庫 作家の高村薫氏が00年から今年にかけて新聞や雑誌に寄せた「時評」を一冊にまとめた。朝日文庫の創刊30周年記念の一環の文庫オリジナルという。 政治についての論評が多い。当初は選挙のたびに「投票に行こう」と呼び掛けていたが、05年…

パリ、ジュテーム

DVD

オムニバス、2006年仏独合作 パリを舞台に「愛」をテーマにした18の小さな物語を集めたオムニバス映画。いちいち列記することはしないが、とにかく監督、キャスト陣が豪華。 何気なくアマゾンのランキングを流していて発見し、購入した。大学時代の長めの一…

キャラ化するニッポン

相原博之著、講談社現代新書 裏表紙によると、著者の相原氏はバンダイのキャラクター研究所なるものの元所長のようだ。私はこの相原氏を全く知らず、本書を読み進めていくうちに、細部へのこだわりと、「キャラ」というものに必ずしも否定的でないことから、…

カラマーゾフの兄弟5

ドストエフスキー著、亀山郁夫訳、光文社古典新訳文庫 亀山訳「カラマーゾフ」もついに完結!この第5巻は、ほんの少しのエピローグと、亀山氏による「ドストエフスキーの生涯」と、作品を詳しく解説した「解題」からなる。そのほとんどは「解題」が占めてい…

246

沢木耕太郎著、スイッチ・パブリッシング 和製「ニュージャーナリズムの旗手」とされた沢木氏による1986年1月から9月までの生活をつづった「日記風エッセイ」。沢木氏の30歳代最後の年だそうだ。書名の「246」は、沢木氏の自宅がある世田谷を通る…

THE O.HENRY PRIZE STORYS 2006

ANCHOR BOOKS 北米の優れた短編小説に贈られる「O・ヘンリー賞」を受賞した20作品を集めた短編集。ある理由で必要性にかられて購入したものを通読してみた。 コンテンポラリーなアメリカ小説の現状を見るにはちょうどよい。古典的な男女の愛や現代家族のス…

カラマーゾフの兄弟4

ドストエフスキー著、亀山郁夫訳、光文社古典新訳文庫この第4部で物語はエピローグを残すのみとなった。巻末の「読書ガイド」を含め700ページで、全5巻で最も分厚い。ドミトリーの裁判の場面がメーンだが、それだけ中身の濃い内容となっている。まず、第11…

カラマーゾフの兄弟3

ドストエフスキー著、亀山郁夫訳、光文社古典新訳文庫亀山氏が巻末の「読書ガイド」で しかしいずれにしも、この第3部で、『カラマーゾフの兄弟』のもつスペクタクル的な面白さは、頂点を迎える。この第3部を交響曲になぞらえるなら、まさにスケルツォ−−。…