2021-01-01から1年間の記事一覧

地球の履歴書

大河内直彦著、新潮選書 楽天ブックスで買った紙の本で読了。著者は海洋研究開発機構の生物地球化学研究分野・分野長とのことで、地球科学者である。海や地層、南極、塩などをテーマにした8編の科学エッセーが収められている。 それぞれの章が歴史上の科学…

伝わる英語表現法

長部三郎著、岩波新書 紙の本で読了。たまたま地元の書店で見つけて手に取った。苦手とする英語のライティング能力向上の足しになればと思って。 著者は外務省の通訳などを務めた大学の元先生。それだけにかなり実践的な英語学習法を説いている。特に日本語…

THE NEW LONG LIFE

Andrew J. Scott & Lynda Gratton著、BLOOMSBURY Kindleにて読了。両著者による訳書『LIFE SHIFT』が話題になっていることを知り、その続編にあたる本書(邦題は『LIFE SHIFT2』)を読んでみることした。 著者はどちらも英国の学者のようで、簡単に言うと、e…

WATER A BIOGRAPHY

Giulio Boccaletti著、Penguin Random House kindleで読了。nprのポッドキャスト「Book of the day」で紹介されていて、興味を持って購入。著者は英国の学者らしく、巻末の著者紹介によると、天然資源保障と環境持続可能性についての世界的に知られた英国の…

英語ライティングルールブック 第2版

デイヴィッド・セイン著、DHC いつどこで購入したか忘れてしまったが、文字通り、英語のライティングの参考書である。奥付を見ると2017年3月に第11刷となっており、おそらくその頃に購入したのだろう。ネットで見ると第3版が出ているようだ。 著者は米国出…

LIFE SCIENCE 長生きせざるをえない時代の生命科学講義

吉森保著、日経BP hontoにて読了。著者は、「オートファジーの仕組みの解明」で2016年のノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典氏の弟子筋にあたる大阪大学教授で生命科学者。題名からも分かるように、明らかに同じようなテーマのベストセラー、LIFE SPAN …

アメリカを作った思想

ジェニファー・ラトナー=ローゼンハーゲン著、入江哲朗訳 ちくま学芸文庫 図書館で借りる。題名の通り、アメリカへの入植から9.11同時多発テロまでの約500年にわたるアメリカの思想史をまとめた本である。著者は歴史学の教授である。 先住民との「交流」や…

その話、諸説あります。

ナショナルジオグラフィック編、日経ナショナルジオグラフィック社 図書館で借りる。世の中にある確定していない「諸説」について、「モナ・リザのモデル」や「人魂の正体」、「地球外生命体」などテーマごとに説を並べて紹介していく。たいていのことは「確…

図解SDGs入門

村上芽著、日本経済新聞出版 楽天ブックスで購入。ムズカシそうなSDGsのことがひと目でやさしくわかる本 - a follower of Mammon につづく2冊目のSDGs本。少し詳しく見ていきたくなったが、とっつきやすそうな本書を選んだ。 著者は日本総研の人らしく、同…

最少の努力でやせる食事の科学

オーガスト・ハーゲスハイマー著、講談社 hontoにて読了。安売りしていたので、購入して読んでみた。糖質制限で昨年、15キロ近くやせたものの、最近5キロ近くリバウンドしているのを何とかしたかったというのもある。 著者は栄養科学博士で健康食品を開発・…

ムズカシそうなSDGsのことがひと目でやさしくわかる本

本田亮著、小学館 楽天ブックスで購入。SDGs(持続可能な開発目標)についての書籍は読んだことがなかったので、新聞で紹介されていたのを見て購入。小3の娘も興味を持つかと思った。 著者は電通の元CMプランナーで「ピッカピカの一年生」などをつくった人…

献灯使

多和田葉子著、講談社文庫 図書館で借りる。多和田氏は芥川賞作家で、本書で全米図書賞の翻訳部門賞を受賞ししている。コンビニ人間 - a follower of Mammon と同様、文芸ピープル - a follower of Mammon で盛んに取り上げられていた。一部では「村上春樹よ…

コンビニ人間

村田沙耶香著、文春文庫 図書館で借りる。文芸ピープル - a follower of Mammon でも英訳が話題になっているとのことだったので、読んでおこうと思った。芥川賞を受賞してしばらく経っており、予約したらすぐに借りることができた。 事前にあまり詳しく知っ…

すごすぎる天気の図鑑

荒木健太郎著、KADOKAWA 楽天ブックスで購入。娘がデジカメを買ってもらい、外に出て雲の写真を撮ったりしているので、興味を持つかと思って購入。渡す前に自分で読んでみた。 著者は、気象庁気象研究所研究官で「雲研究者」。映画「天気の子」では気象監修…

文芸ピープル

辛島デイヴィッド著、講談社 図書館にて借りる。著者は日→英の文芸翻訳家で、早稲田の准教授らしい。ここ最近の欧米での日本文学の出版事情を紹介する。間に挟まれた英国での文芸フェスティバルなどの様子を収めた「ブリテン諸島出版見聞日記」とする読み物…

世界史は化学でできている

左巻健男著、ダイヤモンド社 購入して読了。来年大学受験を迎える息子が化学部志望なので、興味を持つかと思った。著者は理科教育などを専門とする東大の研究者。「火」や「食物」、「酒」、「セラミックス」など物質を軸に、その発展の歴史やそのターニング…

日本の構造

橘木俊詔著、講談社現代新書 図書館で借りる。副題に「50の統計データで読む国のかたち」とあるように、経済学者がさまざまなデータと紹介してこの国の「現在地」を探る。今年3月の発行で、データことないものの、新型コロナウイルスの影響なども論じられて…

ひきこもれ

吉本隆明著、SB新書 図書館で借りる。「戦後思想界の巨人」とされる吉本隆明氏だが、私は氏の著作を読むような知識階級でもなく、これまで縁はなかった。しかし、コロナ下で仕事の在り方についてもいろいろ考えさせられ、在宅でずっと仕事をしていたいと思う…

文豪たちの住宅事情

田村景子編著、笠間書院 図書館で借りる。表紙に「住んだ家、住んだ土地から見えてくる文豪たちの人生と文学」とある通り、文豪たちが移り住んだ住まいの変遷を紹介する。取り上げられた文豪も夏目漱石や太宰治、谷崎潤一郎から正岡子規ら俳人・詩人、寺山修…

ウィーン近郊

黒川創著、新潮社 図書館で借りる。おそらく書評で読んだのだろう。ウィーンに特別関心があるわけでもなく、これまで読んだことがなかった作家である。なぜ借りることにしたのかも思い出せないが、小説としては楽しめた。 暮らしていたウィーンで自殺した兄…

日々翻訳ざんげ

田口俊樹著、本の雑誌社 図書館で借りる。副題に「エンタメ翻訳この四十年」とあるように、主にミステリーの翻訳家である著者が、その訳業を読み返して、その苦労話や思い出話を記す。 普段、ミステリーやハードボイルドはあまり読まないが、軽妙な語り口と…

習慣超大全

BJ・フォッグ著、須川綾子訳 ダイアモンド社 kindleにて読了。グーグルニュースでよくある訳者による紹介文のような記事を読んで、興味を持った。やや逆説的だが、翻訳の勉強にもなるかと思い、あえて訳書を読んでみた。 著者はスタンフォード大学の行動科…

RANGE

David Epstein著、RIVERHEAD BOOKS Kindleにて。ビル・ゲイツが2020年の読むべき本に挙げていたのをネット記事で見て、読んでみることにした。著者は(おそらく)スポーツライターで、早い段階での専門性(early specialization)よりも汎用性(分野の幅=RA…

日本史サイエンス

播田安弘著、講談社ブルーバックス 図書館で借りる。鎌倉時代の蒙古襲来、本能寺の変の後の秀吉の中国大返し、戦艦大和をテーマに、日本史の「常識」を科学的に検証した著。著者は歴史学者ではなく、造船の専門家というところが異色で、「科学を身近に」をモ…

中国・アメリカ 謎SF

柴田元幸、小島敬太編訳 白水社 図書館で借りる。英米文学者の柴田元幸氏と、中国・広州に拠点を置く歌手(?、小島ケイタニーラブとの名前で「みんなのうた」に歌を提供しているらしい)、小島敬太氏による米中作家によるSF短編のアンソロジー。訳書が刊…

KLARA AND THE SUN

Kazuo Ishiguro著、Faber Kindleにて読了。ノーベル賞作家、カズオ・イシグロの新作。各種ブック・レビューで評判がよかったので、次は「The Buried Giant」を読もうと思っていて先延ばしになっていたが、先にこちらを読んでみることにした。AIを搭載した子…

Thank You for Being Late

Thomas L. Friedman著 Kindleにて読了。Newyork Timesのコラムニストによる科学技術の進展などを中心に現代社会について解説した本。ムーアの法則などを紹介しつつ、現在を加速度的にものごとが進化する「acceleration」の時代と定義し、その時代をどう生き…

英語独習法

今井むつみ著、岩波新書 楽天ブックスで購入。その名の通り、英語の学習というか、習得法についての本。著者は認知科学者で、単なる「正しい」を超えた、自然な、というか違和感のない英語を使えるようになるため「スキーマ」という概念を重視しているのが特…

科学とはなにか

佐倉統著、講談社BLUE BACKS 図書館で借りる。科学と社会の接点を探る、いわばジャーナリストに近い研究をしている科学者(本人は「科学者ではない」としているが)による本。「はじめに」で 専門家だけの見方でもダメ。素人だけの評価でもダメ。いったい、…

ドナルド・トランプの危険な兆候

バンディ・リー編 村松太郎訳 岩波書店 図書館で借りる。ベストセラーで読み解く現代アメリカ - a follower of Mammonで紹介されたていた一冊。副題にある「精神科医たちは敢えて告発する」とあるように、米国の精神科医ら二十数人がトランプの(主に精神的…