2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

鴨川ホルモー

万城目学著、角川文庫 万城目氏のデビュー作。京都の四大学のサークルが、「ホルモー」と呼ばれる伝統の「戦い」をする。戦いで使うのは ここで、親指と人差し指でマルを描き、そこにすっぽり入るくらいの茶巾絞りを思い浮かべてもらいたい。身長はせいぜい…

夜は短し歩けよ乙女

森見登美彦著、角川文庫 「鹿男」の万城目学氏と同じ京大出身の若手作家による作品。京大を舞台とするコミカルな恋愛物語。サークルの後輩である「黒髪の乙女」に一目惚れした主人公が、夜の先斗町や学園祭などで彼女を追いかけますさまを独特の語り口で描く…

Twenty-One Stories

Graham Greene著、Penguin Classics グレアム・グリーンの短編集。文字通り21の物語が収められている。比較的難解な単語がけっこうあり、読み進めるのに苦労するところもあったが、話の流れといい、結末の鮮やかさや残す余韻といい、まさに「名ストーリー…

鹿男あをによし

万城目学著、幻冬舎文庫 何かと話題の万城目学氏の小説第2作。奈良を舞台に、京都、大阪と、それぞれにまつわる動物(鹿、狐、鼠)が絡み繰り広げられる「救国」物語。主人公は、大学の研究所を体よく追い出された女子校の教師で、「坊ちゃん」のパロディー…

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

リリー・フランキー著、新潮文庫 「本屋大賞」を取るなど、かつて話題になった「東京タワー」がついに文庫化、ということで、早速購入した。単行本の発売が2005年ということだから、すでに5年。話の内容は、フランキー氏の母親との半生を描いたもので、多少…