indistractable
Nir Eyal著、BLOOMSBURY
Kindleにて読了。だいぶ前にnprのポッドキャストか何かで紹介されていて、たまたま読もうと思っていた洋書が途切れた際に購入した。
著者はイスラエル生まれのアメリカ人で、スタンフォード大学などで教えた経験を持つ作家ということらしい。心理学やテクノロジーについての考察にたけ、ネットによると、一部で「習慣形成技術の予言者」と呼ばれているらしい。本書は注意をそがれる(distracted)もの・ことからの解放されること(indistracted)の方策を考えた書である。
ソーシャルメディアの通知やメールなどdistractionには事欠かない現在だが、著者は気が散る理由について
As is the case with all human behavior, distraction is just another way our brains attempt to deal with pain.
として、苦痛から逃れるために気が散るのだと説く。例示されているように、退屈な会議に出席していて、SNSを見てしまう心理を考えると分かりやすい。
そのうえで、内的・外的トリガーを考えたり、1日の時間を細かく区切って予定を立てたり、といった対処法を詳しく書いている。
「スマホを見なくて済むように腕時計をすべき」といった細かいtipsには面白いものもあるが、それほど驚く内容が書いてあるわけではない。しかし、「気が散らない方法」という現代社会を生き抜くためになくてはならない技術についてまとめて学びたい人には格好の書である。