2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

中原の虹4

浅田次郎著、講談社文庫 「蒼穹の昴」第3部、「中原の虹」の最終巻。あの、袁世凱でさえも、死に際して善人として描かれ、いかにも浅田氏らしい。春雷と妹の再会の場面の泣かせ方もさすがである。 全編を通じて宋教仁を高く評価し、徐世昌に次のように語ら…

中原の虹3

浅田次郎著、講談社文庫 張作霖の権勢はいよいよ巨大となり、清朝は袁世凱への権限移譲という形で滅ぶ。また、亡命中の梁文秀のもとには若き蒋介石が現れ、歴史の胎動が感じられる。張作霖の活躍は、何となく来るべき「破滅」を予感させるものとなる。日本の…

中原の虹2

浅田次郎著、講談社文庫 張作霖がますます権勢を拡大するとともに、「蒼穹の昴」の主人公たち、李春雲や梁文秀らの活躍が描かれ、物語は勢いを増す。やがて西太后は死に、ついに清朝が倒れる。ここまでがおおむねこの2巻で語られる。 そんな中、脇役のキャ…

中原の虹1

浅田次郎著、講談社文庫 いよいよ「蒼穹の昴」第3部、「中原の虹」に手を付けた。「蒼穹」の主人公、春雲の兄・春雷がこちらでは主役。満州の馬賊(日本風に言えばヤクザのようなもののようだ)の頭領たる張サクリンの手下となって活躍する。「蒼穹」とのス…