2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

やがて哀しき外国語

村上春樹著、講談社文庫 村上春樹氏がプリンストン大学で講師をしていた頃に書いたエッセー集。主にアメリカ文化(プリンストンの文化)について論じている。また、村上氏が作家になる前、ジャズバーを経営していた話が繰り返し語られるなど、きょうびのファ…

ごろつき船(下)

大佛次郎著、小学館文庫 帯に「息もつかせぬ展開!」とあるように、物語はめまぐるしく展開する。江戸から海上だけでなく、シベリアを経て舞台は福山に戻っていく。そしてラストはなんと安南(ベトナム)。福山に主要登場人物が全員再集結する下りは、強引と…

ごろつき船(上)

大仏次郎著、小学館文庫 書評家・北上次郎氏の「昭和エンターテインメント叢書」。「鞍馬天狗」で知られる大仏だけに、昭和を代表する「エンターテイメント作家」と言っていいだろう。 帯に「波瀾万丈の大ロマン」とあるように、物語は北海道から始まり、東…

機動戦士ガンダムUC 2 ユニコーンの日(下)

福井晴敏著、角川書店 さて、「ガンダム・ユニコーン」の続きである。スペースコロニーでモビルスーツ戦が始まり、やっとガンダムらしくなる。そして最後にやっと、主人公が「ユニコーン」にたどりつく。ガンダムの世界を踏襲していると言えばそれまでだが、…

失われた町

三崎亜記著、集英社文庫 三崎氏の3作目。町単位で人々が突然姿を消す「消滅」という現象をめぐる物語。主にそれをくい止めようとする人たちを描く。一応は我々と同じ世界が描かれていた「となり町戦争」よりも、設定は突飛。そのぶん取っつきにくく、最後ま…

機動戦士ガンダムUC1 ユニコーンの日(上)

福井晴敏著、角川書店 だいぶ前に上下巻を購入したまま、未読になっていたが、最近どうも洋書を読むのに疲れて手に取った。 「亡国のイージス」などで知られる福井氏のガンダムものである。福井氏の作品を読むのは初めてだったが、思っていたよりも汗くさく…