ひきこもれ

吉本隆明著、SB新書 図書館で借りる。「戦後思想界の巨人」とされる吉本隆明氏だが、私は氏の著作を読むような知識階級でもなく、これまで縁はなかった。しかし、コロナ下で仕事の在り方についてもいろいろ考えさせられ、在宅でずっと仕事をしていたいと思う…

文豪たちの住宅事情

田村景子編著、笠間書院 図書館で借りる。表紙に「住んだ家、住んだ土地から見えてくる文豪たちの人生と文学」とある通り、文豪たちが移り住んだ住まいの変遷を紹介する。取り上げられた文豪も夏目漱石や太宰治、谷崎潤一郎から正岡子規ら俳人・詩人、寺山修…

ウィーン近郊

黒川創著、新潮社 図書館で借りる。おそらく書評で読んだのだろう。ウィーンに特別関心があるわけでもなく、これまで読んだことがなかった作家である。なぜ借りることにしたのかも思い出せないが、小説としては楽しめた。 暮らしていたウィーンで自殺した兄…

日々翻訳ざんげ

田口俊樹著、本の雑誌社 図書館で借りる。副題に「エンタメ翻訳この四十年」とあるように、主にミステリーの翻訳家である著者が、その訳業を読み返して、その苦労話や思い出話を記す。 普段、ミステリーやハードボイルドはあまり読まないが、軽妙な語り口と…

習慣超大全

BJ・フォッグ著、須川綾子訳 ダイアモンド社 kindleにて読了。グーグルニュースでよくある訳者による紹介文のような記事を読んで、興味を持った。やや逆説的だが、翻訳の勉強にもなるかと思い、あえて訳書を読んでみた。 著者はスタンフォード大学の行動科…

RANGE

David Epstein著、RIVERHEAD BOOKS Kindleにて。ビル・ゲイツが2020年の読むべき本に挙げていたのをネット記事で見て、読んでみることにした。著者は(おそらく)スポーツライターで、早い段階での専門性(early specialization)よりも汎用性(分野の幅=RA…

日本史サイエンス

播田安弘著、講談社ブルーバックス 図書館で借りる。鎌倉時代の蒙古襲来、本能寺の変の後の秀吉の中国大返し、戦艦大和をテーマに、日本史の「常識」を科学的に検証した著。著者は歴史学者ではなく、造船の専門家というところが異色で、「科学を身近に」をモ…

中国・アメリカ 謎SF

柴田元幸、小島敬太編訳 白水社 図書館で借りる。英米文学者の柴田元幸氏と、中国・広州に拠点を置く歌手(?、小島ケイタニーラブとの名前で「みんなのうた」に歌を提供しているらしい)、小島敬太氏による米中作家によるSF短編のアンソロジー。訳書が刊…

KLARA AND THE SUN

Kazuo Ishiguro著、Faber Kindleにて読了。ノーベル賞作家、カズオ・イシグロの新作。各種ブック・レビューで評判がよかったので、次は「The Buried Giant」を読もうと思っていて先延ばしになっていたが、先にこちらを読んでみることにした。AIを搭載した子…

Thank You for Being Late

Thomas L. Friedman著 Kindleにて読了。Newyork Timesのコラムニストによる科学技術の進展などを中心に現代社会について解説した本。ムーアの法則などを紹介しつつ、現在を加速度的にものごとが進化する「acceleration」の時代と定義し、その時代をどう生き…

英語独習法

今井むつみ著、岩波新書 楽天ブックスで購入。その名の通り、英語の学習というか、習得法についての本。著者は認知科学者で、単なる「正しい」を超えた、自然な、というか違和感のない英語を使えるようになるため「スキーマ」という概念を重視しているのが特…

科学とはなにか

佐倉統著、講談社BLUE BACKS 図書館で借りる。科学と社会の接点を探る、いわばジャーナリストに近い研究をしている科学者(本人は「科学者ではない」としているが)による本。「はじめに」で 専門家だけの見方でもダメ。素人だけの評価でもダメ。いったい、…

ドナルド・トランプの危険な兆候

バンディ・リー編 村松太郎訳 岩波書店 図書館で借りる。ベストセラーで読み解く現代アメリカ - a follower of Mammonで紹介されたていた一冊。副題にある「精神科医たちは敢えて告発する」とあるように、米国の精神科医ら二十数人がトランプの(主に精神的…

盆踊りの戦後史

大石始著 筑摩書房 図書館にて借りる。その名の通り、各地の盆踊りの変遷を戦後を中心にたどる、かなりニッチな本。今やなぜ図書館で予約したのか分からないが、おそらく書評で読んだのだろう。 村落の宗教行事や性を含めエネルギー発散の場だった盆踊りは、…

日本近現代史講義

山内昌之、細谷雄一編著 中公新書 図書館で借りる。明治維新以降の日本の近現代史について、年代を追って学者たちが講義した14講に加筆してまとめたものだという。 各講(章)はそれぞれ別個の学者が担当している。「明治維新」や「日清戦争」、「東京裁判」…

本当の翻訳の話をしよう

村上春樹著、柴田元幸著 スイッチ・パブリッシング 図書館で借りる。村上春樹氏と、その翻訳の「師匠」である英文学者で東大名誉教授の柴田元幸氏の対談を集めている。主に柴田氏が発行している文芸誌「MONKEY」に掲載されたものが中心で、近現代の英米文学…

ベストセラーで読み解く現代アメリカ

渡辺由佳里著、亜紀書房 図書館にて借りる。これも何かの書評で目にして予約した。 著者のことはこれまで知らなかったが、アメリカ人と結婚してアメリカに住む女性による米国で売れている本の書評というか、本を入り口にアメリカ社会をまさに読み解くエッセ…

子どもが作る弁当の日 「めんどくさい」は幸せへの近道

城戸久枝著、文芸春秋 図書館で借りる。恐らくどこかの書評で読んで興味を持ったのだと思う。 学校で、児童・生徒が弁当を作って持ってくる「弁当の日」という取り組みがある。全国の1割の学校で行われているというので、それなりに知られているのかもしれ…

フィレンツェ史(上)(下)

マキャヴェッリ著、齊藤寛海訳、岩波文庫 図書館で借りる。メディチ家 - a follower of Mammon と同様、メディチ家を調べる過程での必要性から読んだ。「君主論」で知られるニッコロ・マキャヴェリの歴史書(役者は小説としてとらえている)。初期のメディチ…

メディチ家

森田義之著、講談社現代新書 ゆえあってメディチ家について調べる必要があったため、図書館にて借りて読了。表紙が画像と違う(読んだものは黄色の表紙で、絵画が載っている)が、おそらくこの講談社現代新書自体の体裁の変更によるものだろう。シンプルなも…

LIFE SPAN 老いなき世界

デビッド・A・シンクレア著、梶山あゆみ訳、東洋経済新社 紙の本。著者はオーストラリア人の科学者で、米国で老化の研究をしており、『タイム』誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれるなど、それなりに注目されているらしい。 主張は「老化は病気で…

小説家になる!

中条省平著、ちくま文庫 hontoで読了。確か安売りしていたのを購入した。ゆえにあまり期待せず、暇つぶし程度に考えていたが、なかなか読み応えがあった。副題にあるよに「芥川賞・直木賞だって狙える」かどうかはともかく、「物語の構造分析」に始まり、「…

命の経済

ジャック・アタリ著、プレジデント社 図書館で借りて読了。フランスの著名経済学者による、新型コロナウイルスパンデミック下の世界を分析した書。7月現在の状況を中心にまとめ、8月には邦訳が出版されたようなので、緊急出版の部類に入るのだろう。 テレ…

ぼくは翻訳についてこう考えています

柴田元幸著、アルク hontoにて読了。セールでかなり安くなっていた。柴田氏は、翻訳をめぐる村上春樹氏とのコラボレーションで知られる英文学者。これまでにも何冊か著作を読んできた。今回は安さと題名にひかれて購入した。 氏がこれまでに著作などで語って…

モチーフで読む美術史

宮下規久朗著、筑摩eブックス hontoで読了。動物や食べ物、小物など、絵画に描き込まれたモチーフからその意味(すると思われるもの)を紹介していく。 絵画、とりわけ西洋の絵画には関心がある方だと思っているので、興味を持って購入した。「犬」「豚」な…

AGENT SONYA

Ben Macintyre著 Penguin Random House kindleにて読了。ほぼ毎週聴いているNewyork Timesのbookreviewpodcastでの著者のインタビューで興味を持ち、購入した。アマゾンプライムビデオで「The Man In The High Castle」を観終わり、改めて戦時中とスパイに関…

ナイキ フリー ラン 5.0 2020

楽天で購入。ナイキの公式ショップオープンの記念とかで50%オフ。今年のモデルながら6050円とかなりお買い得だった(と思ったらNIKE公式でもさほど変わらない値段でセールしていた)。 フリーランはこれで3代目となる。今のもの(輸入品だったのでこれも60…

TaoTronics SoundElite 71

ちょっと昔になるが、5月にAmazonで購入。初めてのメーカーだが、Bluetooth接続ながら3599円と比較的安く、評価も比較的良かったので選んだ。はやりの完全ワイヤレスはなく、左右がコードでつながれているタイプ。 ほとんどドア・トゥー・ドアで1時間半か…

GARMIN vivoactive4

楽天で購入。約3年前から愛用していた同じGARMINのvivosportのバンドが切れそうになったので買い替えた。週2、3回のランニングの記録と、歩数や上昇階数などの記録用に使っていた。vivosportは普通の活動量計のような大きさでGPSを内蔵しており、機能的に…

近代建築で読み解く日本

祝田秀全著、祥伝社 hontoで読む。明治から昭和期の日本の建築の概説。写真の帯にある(電子書籍で読んだので、実際には帯はなかったが)国会議事堂の上部はなぜピラミッドなのかなど、トリビア的な知識や、主に日本人建築家の逸話がいろいろ取り上げられ、…