図解SDGs入門

村上芽著、日本経済新聞出版

 

図解SDGs入門

 楽天ブックスで購入。ムズカシそうなSDGsのことがひと目でやさしくわかる本 - a follower of Mammon につづく2冊目のSDGs本。少し詳しく見ていきたくなったが、とっつきやすそうな本書を選んだ。

 著者は日本総研の人らしく、同じ日経から、最も売れているSDGs本とされる『日経文庫 SDGs入門』という本も出しているらしい。

 本書は1-1「人口が少なくても稼いでいる国はたくさんある」から8-8「投資回収が期待できる子どもの貧困対策」まで、65のテーマについて、見開きで左ページに平易な文章による説明、右ページに「図解」と言うだけにグラフなどのデータを掲載している。例えば5-1「事前からの補助金をもらっている」では

 自然の恵みがいったいいくらの価値になるのかを計算して、私たちにその大きさを示してくれた科学者らがいます。ここでいう自然の恵みとは、「生態系サービス」といい、2011年時点で125兆ドルに上ると算出されました。この数字は巨大で、世界全体のGDPの1.5倍と言われました。

と紹介し、1997年から2011年にその減少を示すグラフを掲載している。

 紹介されているテーマは多岐にわたり、SDGsと言えば思う浮かぶ気候変動対策や貧困対策だけでなく、日々の生活や世界のあらゆる場面と言っても過言でないくらいかかわりがあることだということが実感できる。それだけこのSDGsが総花的だと言えるわけでもあるが。

 一方、本書ではSDGsそのものの説明は意外と少なく、17のゴールの説明さえない。そういう意味では、SDGsそのものというより、その前提となる世界の現状をデータで学び、SDGs的な考え方をするための「土台」をつくるためのものだと言える。