2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

有頂天家族

森見登美彦著、幻冬舎文庫 森見氏の今回の作品は、やはり奇抜な設定で、狸一家が主人公。京都を舞台に、化けながら人間のような生活をしている狸と、人間、天狗が織りなすドタバタ劇となっている。物語の軸は、狸の頭領たる「偽右衛門」就任を巡る騒動で、子…

the five people you meet in heaven

Mitch Albom著、HYPERION刊 米コラムニスト、アルボムによる(恐らく初の)小説。tuesdays with Morrie - a follower of Mammonと同様、丸善のセールで購入。著者のことは何も知らず購入したが、いずれもいい作品だった。 アメリカの遊園地のメンテナンス工…

芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったか

市川真人著、幻冬舎新書 題名の通り、村上春樹がなぜ芥川賞を取らなかったか、を糸口に、日本文学(小説)の歴史を概観する。今「旬」の批評家らしく、語り口は軽妙。比較的知られている村上作品の「父性の不在」と、アメリカという日本にとっての「父」に結…

tuesdays with Morrie

Mitch Albom著、timewarner paperbacks 丸善の洋書フェアにて500円で購入。米国の(スポーツ)コラムニストが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)に冒された大学時代の恩師との最後の日々を記した。文体は平易で、あっという間に読み終えた。 親しい人の死と向き…

恋愛論

竹田青嗣著、ちくま学芸文庫 毎日新聞の書評に取り上げられていて、面白そうだったので購入した。プラトニックの語源となったプラトンに始まり、スタンダールやトルストイ、ドストエフスキーなどの作品から、恋愛を巡る「哲学」を論じる。 観念的な話は苦手…