近代建築で読み解く日本

祝田秀全著、祥伝社

近代建築で読み解く日本 (祥伝社新書)

 hontoで読む。明治から昭和期の日本の建築の概説。写真の帯にある(電子書籍で読んだので、実際には帯はなかったが)国会議事堂の上部はなぜピラミッドなのかなど、トリビア的な知識や、主に日本人建築家の逸話がいろいろ取り上げられ、興味深かった。

 しかし、新書という体裁上仕方のない面もあるが、個々の建築の紹介はあっさりしている。最も著者の熱が入っていたと感じたのは、ゴジラが英霊の魂だったと論じる部分で、ゴジラが壊した建物と壊さ(せ)なかった建物(というより、これの建物はゴジラ以前に制作側としても壊すのに勇気がいると思うが)の紹介はあるものの、やはり建築よりも歴史トリビアに比重があったような気がして、やや拍子抜けした。