新版 はじめての環境学
北川秀樹、増田啓子著、法律文化社
図書館で借りる。地球環境学入門 第3版 - a follower of Mammon と同様、教科書向けに書かれた本。本書は環境問題の歴史「環境史」から入り、第2章は「環境問題発生のメカニズム」として大気汚染や廃棄物問題、地球温暖化などを概説する。さらに第3章は法制度で、環境をめぐる日本の法制度を紹介していく。
教科書だけにやや総花的で、特に制度の紹介は羅列的な色彩が強い。そういう意味では、読み物としての面白みは少ないが、それぞれの問題点にもしっかり触れられている点は勉強になる。例えば、リサイクルについては
(1)リサイクルのためのリサイクル 循環型社会形成推進基本法においては、3Rの中で廃棄物の発生抑制(リデュース)が最優先とされているにもかかわらず、大量排出・大量リサイクルにつながっており、真に環境への負荷を低減させる発生抑制にはほとんど貢献していないと批判されている。
としている。環境問題の基本を学ぶとともに、「先」を考えるための入り口としてはいい本だと思った。