地球環境学入門 第3版

山﨑友紀著、講談社

地球環境学入門 第3版

 図書館で借りる。基本的な環境学を学びたいと思って、題名で探したところヒットした。やや大きめのカラー版で、まえがきにも大学生の教科書向けに書かれたことが記されている。

 題名に「地球」と銘打っているだけに、「宇宙のなかの地球」にはじまり、「地球内部のしくみ」や「地球の物質循環」まで、地球のあり様の解説に多くが割かれている。そういう意味では比較的理系的な解説が多いが、プラスチック問題やリサイクルなど今日的な環境問題に加え、資源・エネルギーや経済活動をめぐる問題も紹介されていて、幅広い問題がカバーされた、まさに入門書といえる。

 特に印象に残ったのは「第18章 廃棄物問題とリサイクル」で、

 このようにリサイクルが強く推進されている廃棄物はたくさんあるが、それらのすべてが適切に処理されている訳ではないことを知っておくべきであろう。

と指摘したうえで、欧米で広がっている洗剤などの「中身」の量り売りなどを紹介して、目立たないながらも日本の「遅れ」を浮き彫りにしている。