恋愛論

竹田青嗣著、ちくま学芸文庫
恋愛論 (ちくま学芸文庫)
毎日新聞の書評に取り上げられていて、面白そうだったので購入した。プラトニックの語源となったプラトンに始まり、スタンダールトルストイドストエフスキーなどの作品から、恋愛を巡る「哲学」を論じる。
観念的な話は苦手なこともあり、あまり頭に入らなかったが、ユーミンの歌詞なども織り交ぜながら、語り口は軽妙。ただ、「カラマーゾフの兄弟」のドミートリイがカテリーナを手に入れるくだりから

エロティックな欲望の本質は、人がつねに公共の生活の内側でその「善」を守りつづけなければ人間たりえないという圧力に対する心理的な反動力にほかならい

としている点はなかなか興味深かった。