Twenty-One Stories

Graham Greene著、Penguin Classics
Twenty-one Stories (Classic, 20th-Century, Penguin)

グレアム・グリーンの短編集。文字通り21の物語が収められている。比較的難解な単語がけっこうあり、読み進めるのに苦労するところもあったが、話の流れといい、結末の鮮やかさや残す余韻といい、まさに「名ストーリーテラー」。内容も笑える詐欺を熱かった「WHEN GREEK MEETS GREEK」や映画「シックス・センス」のような「A LITTLE PLACE OFF THE EDGWARE ROAD」などさまざま。終盤は「死」をテーマにした作品が続くが、中でも最後の「THE END OF THE PARTY」は悲しい話。参加するのをいやがっているパーティーの時間が刻々と近づくことに対する少年の心理が次のように描写される。

God had done nothing for him, and the minutes flew. They flew too quickly to plan any evasion, or even to prepare his heart for the coming ordeal.

物語のラストを思うと、よりいっそう哀しい。