マラソンは毎日走っても完走できない

小出義雄著、角川SSC新書
マラソンは毎日走っても完走できない 角川SSC新書
「Qちゃん」こと高橋尚子らを育てた「小出監督」のマラソン本。書店で探すのに苦労した。09年11月に刊行されて、第7刷とあるから、かなり売れているようだ。
題名からは、「休みながら練習すべし」というような「楽して完走」的なハウツー本を想像するが、さに非ず。端的に言うと、マラソンを走るためには、毎日ダラダラ走るのではなく、インターバルなどで「負荷」をかけたトレーニングをしなければならない、ということを論じている。もちろん、小出氏が育てた一流選手たちの練習メニューも紹介され、興味深い。また、

 一般のランナーなら、大会に出たときに前を走っている人のかかとや背中を見るといいでしょう。それが、ちょうど理想的な目の高さ。だいたい3〜5メートル先に目線を落とすことになります。

などと、小さいながらもためになるテクニックが具体的に記されているのもいい。