2011-02-13 中原の虹3 文庫 浅田次郎著、講談社文庫 張作霖の権勢はいよいよ巨大となり、清朝は袁世凱への権限移譲という形で滅ぶ。また、亡命中の梁文秀のもとには若き蒋介石が現れ、歴史の胎動が感じられる。張作霖の活躍は、何となく来るべき「破滅」を予感させるものとなる。日本の駐在武官、吉永のレポートには、次のような表現があるのも、皮肉である。 道理ナリ一体ニ張作霖ノ行動ニハ必ズ理アリ。暴虐ナレド非道ニ非ズ。人道ニ悖ルト雖モ天道ニ副フノ理屈アリ。 さて、次巻はいよいよ最終巻である。