中原の虹3

浅田次郎著、講談社文庫
中原の虹 (3) (講談社文庫)
張作霖の権勢はいよいよ巨大となり、清朝袁世凱への権限移譲という形で滅ぶ。また、亡命中の梁文秀のもとには若き蒋介石が現れ、歴史の胎動が感じられる。張作霖の活躍は、何となく来るべき「破滅」を予感させるものとなる。日本の駐在武官、吉永のレポートには、次のような表現があるのも、皮肉である。

 道理ナリ一体ニ張作霖ノ行動ニハ必ズ理アリ。暴虐ナレド非道ニ非ズ。人道ニ悖ルト雖モ天道ニ副フノ理屈アリ。

さて、次巻はいよいよ最終巻である。