運命の人 二

山崎豊子著、文春文庫
運命の人(二) (文春文庫)
物語は記者・弓成と元外務事務官・三木の逮捕から起訴、公判へと進む。その過程で弓成と三木の肉体関係がついに明らかになる。その描写はあっさりとしているものの、エロティック。そのために弓成の妻ら関係者は苦悩し、また、「言論の自由」振りかざしてキャンペンを張っていたマスコミもトーンダウンしていく。特に「毎朝新聞」の「編集局長見解」にも、当局から「不適切な関係」情報が事前にもたらされたために

 なお新聞記者の入手した情報が、報道というルートを離れた事実があるとあるとすれば、記者のモラルに反するものといわざるを得ず、この事実関係はできるだけ早く解明する。

との文言が盛り込まれることとなった。