瀕死のライオン(上)

麻生幾著、幻冬舎文庫
瀕死のライオン〈上〉 (幻冬舎文庫)
麻生氏の作品はこれまで、読んだことがなかったが、丸善で新刊文庫コーナーにあったものを何となく購入。自衛隊の特殊部隊と、北朝鮮工作員を描く。内調や官邸など、「政治」もきっちり描かれており、最近出た作品らしく、政権交代後の首相が登場する。しかし、食糧事務所廃止を訴えながら農水相にった経験があるなど、どことなくモデルは小泉純一郎っぽい。また、森喜朗を思わせる過去の総理はについて

ラグビー部出身の、ある総理などは、夜な夜な秘書官と官邸で酒を飲んでいると、誰もいないはずの官邸内でひそひそ話を聞いた、と真剣に怖がっていた

というような挿話もあり、面白い。
とりあえず、この上巻は、北朝鮮側の日本での工作に対応するために陸自特殊部隊のチームが編成されるところで終わった。