作家とは何か−小説道場・総論

森村誠一著、角川oneテーマ21
作家とは何か ――小説道場・総論 (角川oneテーマ21)
小説の書き方−小説道場・実践編 - a follower of Mammonの前編(こちらに「あとがき」があることを考えると、後編かもしれない)。タイトル通り「作家とは何か」についての論評で、他人に読まれることを意識せよ、といった精神論が中心になっている。その中で、出版社や編集者の独特な分類などもなされ、なかなか面白い。また、森村氏の作家となる「原体験」として、熊谷大空襲が紹介され、なるほどと思った。
また、作家論とは直接関係ないが、今の「百名山ブーム」について

(前略)山岳文化を伴わない登山ブームは、第一線からリタイアした人々が余生を山に託して、山だけを見つめているような気がする。(中略)人生上半期を会社や家族のために生きた人々は、下半期を余った人生として新たに自分探しをするのが面倒になり、他人が選んだ百名山をとりあえず自分の人生の目標として据えた……。

と分析しているのが妙に印象に残った。