レディ・ジョーカー(中)

高村薫著、新潮文庫
レディ・ジョーカー 中 (新潮文庫)
事件は、3回にわたる偽の現金授受劇など、展開し続ける。合田は、日之出ビール社長・城山のボディ・ガード兼捜査本部のスパイとなって、合田らしい活躍をする。ただ、物語の上ではあくまでも(中)であって、多くの論評はできない。
印象に残ったのは、そのボディ・ガード合田の靴を見た、元義兄の検事・加納の言葉

ああいう企業のトップたちの靴を見ろ。息苦しいほどぴかぴかだろう? あれは彼らのこころの砦だ。だから、俺はよく彼らの靴を見る。長時間の取り調べが続いて最後に彼らが落ちるときは、靴も輝きを失っていることが多いものだ