The FOURTH HAND

John Irving著、BlackSwan刊
The Fourth Hand
丸善でワゴン売りをしていたのを偶然見つけ、購入。やはりジョン・アーヴィングの作品は読み進めるのが早い。
ライオンに食われて左手を失うテレビジャーナリストの話。いわゆるイケメンの女性遍歴が、例によって独特のデフォルメでもって語られ、楽しい。ただ、途中までパラレルに語られる手の移植手術を専門にする医師(これがまた、庭の犬の糞の駆除に異様な執念を燃やしたりして楽しい)の日常が、後半はほとんど語られないなど、物語の構成は、アーヴィング作品にしては、雑な印象。それゆえに、おそらくアーヴィング作品の中ではあまり評価が高くないと思われる(だから500円でワゴン売りされていたのかもしれない)。
それでも十分に楽しめたのは、やはりアーヴィングのストーリーテリングの力量だろう。また、あとがきにこの物語を書いたきっかけが紹介されていたのも興味深い。テレビで手の移植手術のニュースを見たのがきっかけだったという。

 Janet(アーヴィングの妻) asked the inspiring question: 'What if the donor's widow demands visitation rights with the hand?'(中略)Every novel I've written has begun with a 'What if ...'