And You Know You Should Be Glad

Bob Greene著、Harper刊
And You Know You Should Be Glad: A True Story of Lifelong Friendship
ボブ・グリーンの近刊で、がんのため57歳で亡くなった親友と過ごした最後の日々をつづったノンフィクション。親友を見舞う傍らで、思い返される少年時代から現在まで共に過ごした時間。このようなノスタルジーと、親友が自転車強盗が少年に及ぼす影響を心配する以下のような場面に象徴されるヒューマニティーは「グリーン節」の真骨頂と言える。

"Think what that does to a kid. He stops trusting people he doesn't know. That's going to stay with him--that's going to change him. The world becomes a place where people take things from you just because they can. And the parents are telling the kids to just give up the bikes if they're approached. The parents don't want their children beaten up, or worse, over a bike. But think about that lesson. If someone wants something that's yours, just hand it over, or you'll be hurt. You don't think that changes how a kid looks at the world?"

親友とは、グリーンの高校時代の日記をまとめた「十七歳」に描かれた仲間「ABCDJ」の「J」ことJackである。まさに高校時代にこの「十七歳」からグリーンに入り、その後グリーンのコラムやノンフィクションを読みあさった者にとっては、本書は読まざるを得ないものだった。あるいは「センチメンタルに過ぎる」、または「美化し過ぎている」と言う人もいるかもしれない。しかし、自分自身の高校時代を思い返すとともに、どんな者、どんな関係にも訪れる「終わり」の迎え方についても考えさせられる、感動的な読書体験となった。
スキャンダルでシカゴ・トリビューン社を退社してからの消息はこれまで気に留めていなかった。現在はジャーナリズムに登場することはなくなっているようだが、このような素晴らしい著作活動をしているということで、安堵している。ある時代は完全には終わっていなかったのだ。