グレート・ギャツビー

スコット・フィッツジェラルド著、村上春樹訳、中央公論新社
グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

明けましておめでとうございます。
新春一発目の作品ですが、読んだのは昨年末です。
村上春樹にとって、最も影響を与えた本のうちの一冊らしいですが、
ぼくはこれまで読んだことはありませんでした。
だから、これまでの訳と「村上訳」を比較することはできません。
まあ、英語のペーパーバックを買ってはいたのですが、読まないまま本棚で眠っています。
これも買った理由と言えば、ヘミングウェイのパリ時代の生活を描いた「A Moveable Feast(移動祝祭日)」に
本作品執筆前後のフィッツジェラルドの様子が出てくるから興味を持ったという程度です。
あと、「華麗なるギャツビー」という映画はテレビで見たような気がするんですが、
ロバート・レッドフォードがプールに浮かんでいる姿しか覚えておらず、
たぶん「ながら観」をした程度なのだろうと思います。

確かによくできた作品だと思いました。
特に誰も来ないギャツビーの葬式のシーンの描き方なんかは圧巻です。
ただ、ギャツビーの恋が成就してから、「事件」に至るまでの経緯に何となくぎこちなさ(白々しさ)を感じました。
あと、雰囲気はよかったのですが、私にはそんなに深い意味のようなものを感じることができませんでした。
まあ、読者側の未熟さゆえでしょう。
いずれにしても、時間ができたら原書も読んでみようと思います。