2009-01-17から1日間の記事一覧

午後の曳航

三島由紀夫著、新潮文庫 船乗りと美しい未亡人、中学生になるその息子の愛憎劇。またしても「覗き」が重要なモチーフになっている。「第一部 夏」の最後に曳航されて出航する船乗り・竜二を乗せた貨物船と、「第二部 冬」で息子らの仲間に殺されるために丘の…

砂の上の植物群

吉行淳之介著、新潮文庫 「性」をテーマにした作品を多く残した作家らしい作品。中年にさしかかった男の葛藤と、姉妹との(異常な)性愛、近親相姦(の恐れ)、亡父に対する複雑な感情などを重層的に描いている。自分も主人公の伊木一郎と同じ年ごろだからな…