ジヴェルニーの食卓

原田マハ著、集英社
ジヴェルニーの食卓[電子特別版] (集英社文芸単行本)
ニューヨーク近代美術館などで勤務経験があるキュレーターの原田マハ氏による短編小説集。本作は今年の直木賞候補になった。
モネやドガ印象派の画家を中心に、史実をもとに画家の「知られざるストーリー」を描く。
画家の周辺者の視点で語られることから、どことなくテレビ東京の「美の巨人たち」を思わせる。ゴッホの肖像がで知られる「タンギー爺さん」について、セザンヌの話として描くなどファンにとっては魅力的な物語ばかりである。ただ、それぞれがライトタッチで若干、食い足りない部分もあり、アンリ・ルソーの作品を題材にした長編「楽園のカンヴァス」も読んでみたくなった。