ま、いっか。

浅田次郎著、集英社文庫
ま、いっか。 (集英社文庫)
どうしたことか、3月以来約8カ月ぶりの読書となってしまった。この間、仕事が変わったりして多少落ち着かなかったのは事実だが、ここまで読書から離れるとは。なんとも寂しい。
本書は浅田氏のエッセー集。主に雑誌連載をまとめたものらしい。テーマは「ふるさとと旅」や「ことばについて」など浅田エッセーお約束といったものから、女性観などをまとめた「男の本音」というのもある。その中の「モリエールの言葉」と題する作品で、「若づくり」のアンチテーゼとして次の言葉を引用する。

自然(フィジス)はあらゆる善美と調和を生み
反自然(アンチ・フィジス)はあらゆる破綻を生ぜしめる

「読書再開」には格好の一冊であった。