罪と罰1

ドストエフスキー著、亀山郁夫訳、光文社古典新訳文庫
罪と罰〈1〉 (光文社古典新訳文庫)
カラマーゾフの兄弟」に続く亀山氏の新訳第2弾。貧乏学生の主人公、ラスコーリニコフを殺人を犯し、苦悩するまでがこの第1巻。
カラマーゾフ」と同様、旧訳を読んでいないので、訳の比較はできない。ただ、「カラマーゾフ」と比べて世界の広がりがあまりない印象。その分、筋は追いやすい。また、宗教的な考察も少ない。主人公に関する部分で言えば、出頭を決意する

遺志と力の王国が訪れたんだ……これから見てやろうじゃないか!

といったくだりぐらいだが、巻末の「読書ガイド」によれば、この部分はやはり、後で意味をもってくるらしい。