NHK・探検ロマン世界遺産(パリ)

世界遺産を紹介するNHKの番組のスペシャル。パソコンで録画してあったものをDVDに焼いて観た。
今回はパリの街を移民の子であるパリジェンヌが案内するという構成。名建築や芸術をひたすら映し出すのではなく、パリの街の生い立ちや均整の取れた街並みの秘密などを分かりやすく紹介していた。この「案内人方式」が成功したパターンと言える。後半は移民問題に絡めて「自由・平等・博愛」の精神について考えるという趣向で、ややこれが予定調和的かつ冗長だったが、番組全体の面白さがそれを補って余りあった。いずれにしても「現在のパリ」を描くうえで移民問題は避けて通れないだろう。
どうしてもDVDに落とした映像は自宅の40インチテレビでは画像が粗くなる。放送を地デジで観るべき番組であった。3歳の暴れん坊がいると、それもなかなかできない相談ではあるのだが。
私も十二、三年前にある旅の終着点としてパリを訪れた。その印象が今でも印象で、目下訪れたことがある都市で最も素晴らしかったと思っている。パリを最高の都市に選ぶのはいささか月並みなのだが、実際そうなのだから仕方がない。同じ旅で訪れたイスタンブール、ロードス、アテネナポリベネチアなどいずれもよかったが、やはりパリは別格であった。「冷たい」と言われるフランス人だが、あの荘厳かつ華やかな街に身を置くと、孤独な旅をしていても不思議と疎外感は感じない。何となくその歴史、街並みそのものに優しく包み込まれたような感じがしたものだ。